構造物変状計測 [構造物の沈下・傾斜]
電子レベル/スタッフによる方法
脚等の沈下計測で、連通管式沈下計が使えないところで電子レベル/スタッフを使用して計測します。測定原理は、基準となる電子レベルから水平にレーザー光を発し、測定対象となる電子スタッフの受光部でレーザーの受光位置を電気的に感知します。同時に傾斜計を併設します。以下に橋脚の沈下、傾斜計測の例を示します。橋脚にはアンカーボルトの使用が認められない場合が多く、設置例では専用の治具を製作し締め付けによる固定方法です。
電子レベル |
電子スタッフ |
固定式傾斜計 |
HyPoS(ハイポス)による方法
自動追尾型トータルステーション(以降TS)を利用した、マトリックス式変位自動計測システム(通称HyPoS)があります。HyPoSとは、Hyper Positioning Systemの略です。HyPoSは、マトリックス演算処理機能を内蔵し市販のTSと接続することで、長期にわたり高精度(100m先で誤差1mm以内)の多測点しかも三次元の計測を行います。TSとHyPoSは別々の機器ですが、この両者は常に1セットで使用するため、通常HyPoSといった場合にはTSも含んだシステムを指します。※トータルステーション単体でも同様の計測は可能ですが、HyPoSでは他のTSより高精度の計測が可能です。
反射プリズム設置図
レーザー距離計による軌道変位計測
連通管式沈下計と、レーザー距離計の組合せにより軌道の鉛直と水平変位を計測する例です。
軌道の鉛直変位計測は、レールに直接治具を取り付け、連通管式沈下計を横倒しにして設置することで建築限界内に設置することを可能としました。軌道の水平変位計測は、レーザー距離計を使用し、レールにレーザー光を直接当て斜距離を測定し、水平変位に換算することで計測を可能としました。