山留め壁の水平変位計測
山留め壁の水平変位測定は、通常、設計値から設定する管理基準値と対比し、山留め壁の安全性を管理するために実施します。測定方法には、埋設型傾斜計による自動測定と、挿入式傾斜計による手動測定とがあります。いずれの場合も、山留め壁にガイド管(鋼製角パイプ75mm×75mm)を取り付けますが、埋設型傾斜計は、山留め壁設置後に計器埋設を行います。 いずれの測定も、得られる測定値(傾斜角)に距離を乗じて水平変位量に変換し、山留壁下端から順次上方に累積することで、全体の変形(分布)を求めます。当社では、埋設型傾斜計の設置間隔は2m、挿入式傾斜計の測定間隔は1mを基本としています。 管理基準値の設定について1次管理基準値:設計時の最大変位量×80% 2次管理基準値:設計時の最大変位量×100% |
切梁軸力、グラウンドアンカー軸力測定
切梁軸力、グラウンドアンカー軸力測定は、通常、設計値から設定する管理基準値と対比し、支保工の安全性を確認するために実施します。切梁軸力には表面ひずみ計、アンカー軸力にはセンターホール型荷重計を使用します。 管理基準値の設定について(切梁)上限1次管理基準値:設計時の荷重×80% 管理基準値の設定について(グラウンドアンカー)上限1次管理基準値:設計時の荷重×100% |
センターホール型荷重設計図 |
リバウンド・地盤沈下の計測
計測には主にワイヤー式変位計を使用します。掘削前に、測定位置にボーリングを行い、測定ワイヤーの先端に固定した水圧式アンカーを挿入します。地上からアンカーに水圧を加え地山に固定させた後、頭部に変換部(検出器)を設置します。不動点を、最下端のアンカーと考え各点の変位を算出します。以下に設置手順を示します。
設置手順
1.削孔 | ボーリングマシンにより所定の深度まで削孔を行う。孔内はCBモルタルにて置換する。 |
---|---|
2.計器の挿入 | 計器を挿入し、固定する。 |
3.アンカーの固定 | 地上より水圧ポンプを使用し、アンカーを地山に固定する。 |
4.掘削 | 掘削時はワイヤーを切断しないように注意して掘り下げていく。必要であればワイヤーを切断し、変換部を移設する。 |
地下水位の計測
計測には水圧計を使用します。測定箇所にボーリングを行い、測定深度に水圧計を設置します。ボーリング孔は通常孔壁を保護する目的で塩ビ管を挿入します。測定値は水圧として検出されるため、設置深度を乗じて水位に換算します。以下に設置手順を示します。
設置手順
設置手順(被圧水の場合)
|